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理事長挨拶
理事長挨拶
近年、地方創生を推進しようとしたり、東京の一極集中が望ましくないと言ったりして、田舎への価値移転を図ろうとする保守層が乱立している。これは大きな過ちであるが、その理由は自らが支配的な地位にある地方に価値を移転しようとすることは、全体としての地域価値の低減を招くからである。国家全体が浮上するためには、エンジンは東京などの大都市以外は考えられないし、また東京を強化することが国家のグローバルな地位の向上に結び付くのである。
我々は、価値創造は集めてばらまくのではなく、ネットワーク組織論に依拠して連携による価値の発現を指向することが望ましいと考えている。つまり、ノードをいかにリンクするかを考えることが地域の価値を生み出すのであって、これには各地域間での境界融合や関係編集が大いに期待されることになる。つまり、それぞれの地域の単独での価値よりも大きな価値を連携によって実現すべきであるというのが、地域デザイン学会の基本的な考え方である。
このような観点から、今回の全国大会でも多くの学会員から報告がなされるが、これらは政治的なパワーからはニュートラルな立場からの報告になっている。つまり、地域の価値を発現するための科学的な根拠に依拠した理論や実践に関わる手法が報告されることになる。今回の発表や報告をもとに、いずれは論文として成果物が提示されることが期待される。
また、本学会の主張を社会に向けて広報することも大事になっており、開かれた学会として多様な組織に対してアピールすることも重要であることから、多様な組織間連携の模索も行っていきたいと考えている。つまり、我々は社会に影響力を行使できる主張を全国大会の場において展開しようとしているわけである。
ここでの研究の理論化は、多様な組織連携を生み出すことが期待されるので、可能な限り研究会やフォーラムなどでの報告へつなげていただきたい。また、本学会では論文や書籍の刊行が重要であると考えており、これへの貢献が会員には求められることになる。それは、研究者は研究業績によって評価されるべきであり、それなしには研究者とはいえないことになるからである。会員の学会誌への積極的な投稿をお待ちしている。
最後に,昨年に引き続き、今回の全国大会においても実行委員会の業務を引き受けていただいた東海大学には大いに感謝の気持ちを表したい。これを機にして、新たな会員が参加されることも期待している。
2025年7月吉日
理事長 原田 保
